千葉市出身、FIBA 3x3 U-23ワールドカップ2018銀メダリスト

小山真実選手インタビュー

「日本代表は初めてだったので、すごくうれしかったです」

 

小山選手は、2018年10月に中国・西安で開催されたFIBA U-23 3x3ワールドカップ2018に日本代表の一員として出場し、銀メダル獲得という快挙を成し遂げた後、2018-19シーズンに臨みました。インタビューのタイミングはトヨタ自動車アンテロープスと対戦した1月20日だったのですが、チームの先輩である本橋菜子選手が5人制のFIBAワールドカップに出場したあとでもあり、かつ対戦相手のアンテロープスに小山選手と共に銀メダリストとなった山本麻衣選手、馬瓜ステファニー選手が所属していたこともあってか、会場の大田区総合体育館には小山選手の銀メダル獲得と本橋選手の日本代表選出を祝福する横断幕が張り出されていました。

「1つ1つ勝っていくうちに自信もつき、メダルを獲りたいっていう気持ちも高まりました」

 

1995年生まれの小山選手は前述のとおり千葉市出身で、ミニバスの加曾利ホーネッツから加曽利中、昭和学院と進み、2014年にJX-ENEOSサンフラワーズに加入しました。大きな故障と格闘しながらそこで3シーズンを過ごした後、2017年にヴィッキーズに移籍し、現在に至っています。181㎝と長身ながら3Pショットに定評があり、インサイドでもアウトサイドでも脅威となりうる人材として知られています。

2018年にインタビューした際、小山選手は日本代表入りへの意欲を話していました。しかし、今回の3x3日本代表入りに際しては「いきなり言われたことなので、3x3のルールもまったく知らない状態で合宿にいった」そうで、本人も驚いた大抜擢だったようです。とはいっても、「日本代表は初めてだったので、すごくうれしかったです」、「全部が初めてでワクワクしていました」という言葉と明るい笑顔が、その誇らしい思いを物語っています。

FIBA 3x3 U-23ワールドカップ2018の日本代表は、小山選手、馬瓜選手、山本選手、そして栗林未和選手(C / 富士通レッドウェーブ)という4人構成。それぞれが異なる個性を持っていましたが、特に小山選手は破壊力満点のロングレンジ・シューティングで快進撃に貢献しました。

3x3においてロングレンジ・ゲームの重要性は、5人制以上と言えます。なぜなら3x3では、通常のショットが1点なのに対しアークの外側から放たれたショットが2点――通常ゴールの2倍の点数――になるからです。

チェコ相手の初戦、日本は19-15と快勝しましたが、この試合で小山選手は6本の2Pショットを決めました。「日本の女子バスケには“アウトサイド”がある」というのは、これまでの歴史からも知られていたでしょう。しかし小山選手の6本は、「これでもか」というほどその脅威を見せつけた形です。

FIBA 3x3 U-23ワールドカップ2018の日本代表(左から小山選手、馬瓜選手、山本選手、栗林選手)
FIBA 3x3 U-23ワールドカップ2018の日本代表(左から小山選手、馬瓜選手、山本選手、栗林選手)

©FIBA

日本は続く対アルゼンチン戦と対フランス戦、苦しみながらも11-10というまったく同じスコアで連勝し、モンゴルを21-8と圧倒して予選ラウンドを1位通過。準々決勝ではハンガリーを18-12、準決勝ではウクライナを20-17で下します。

ここまでの6試合を戦った相手について小山選手は、「全然外(アウトサイドショットの脅威)がなくて中、中というチームだった」と表現しましたが、決勝で対戦したロシアにはアウトサイドから攻められ、結果として12-21で屈し、金メダルには手が届きませんでした。

しかし堂々の銀メダル。これは高く評価されるべき快挙ですし、7試合を戦った小山選手が記録した28得点は、大会全体のランキング11位にあたる好記録でした(しかも山本選手は42得点でなんと2位!)。

ファイナルの対ロシア戦で2Pショットを放つ小山選手
ファイナルの対ロシア戦で2Pショットを放つ小山選手

©FIBA

次なる活躍の舞台はどこか…


2018-19シーズン、ヴィッキーズでの小山選手は出場7試合、平均3.0得点、1.0リバウンドという数字を残しています。チームはセミクォーターファイナルで、強豪富士通相手にチーム史上初めてプレーオフでの勝利を手にしました。

2月18日、ヴィッキーズ公式フェイスブックアカウントに掲載された小山選手のコメントには、思うようにチームに貢献できなかったという悔しさがにじんでいました。またヴィッキーズ退団発表翌日の3月21日、小山選手はツイッターでチームとファンに対する感謝のメッセージを投稿しています。正直な思いがつづられた言葉が今後の活躍を期待させてくれます。また、ヴィッキーズには来シーズンのさらなる躍進を期待せずにはいられません。小山選手にもヴィッキーズにも、引き続き注目して応援していきましょう。

 

Interview & text by Takeshi Shibata / O-Media

Photos by Takeshi Okada

小山選手が獲得した銀メダルは、世界を相手に戦い、勝ち上がった貴重な経験の証しです
小山選手が獲得した銀メダルは、世界を相手に戦い、勝ち上がった貴重な経験の証しです