FCバルセロナ、アルマーニ…? ユニークなユーロリーグの魅力

バスケットボールの世界最高峰は、今のところ、本場アメリカのNBAということで世間に認知されているといえるでしょう。しかし近年、そのNBAにヨーロッパの国々から有能な人材が送り込まれています。例えば昨年のNBAドラフトでも、1順目、2順目で指名を受けた60人のうち、ヨーロッパのクラブでプレイしていた、あるいはヨーロッパ出身でアメリカの大学に所属した例は2ケタに届きます。ヨーロッパは人材の宝庫であり、大陸のトップリーグであるユーロリーグは、秀でた才能をさらに磨き上げる修練の場ととらえることができそうです。

…ということで、ユーロリーグの了解を得て公式戦ダイジェスト映像とともに紹介! 

ユーロリーグはヨーロッパ諸国のトップチームが参戦し、国内リーグとは別に交流する機会となっています。参戦できるのは16チームで、シーズンは10月からのレギュラーシーズン30週を経て5月のファイナルフォー(今年の開催はセルビアの首都ベオグラード)まで。

2017-18シーズンは2月1日までに第21週を終えており、首位には17勝4敗のCSKAモスクワ(チェスカ・モスクワ=ロシア)が座しています(ユーロリーグ第21週までの順位表はコチラ)。

このCSKAモスクワをはじめ、サッカーのトップリーグでおなじみのチーム名がいくつも見られるのは、ヨーロッパのバスケットボール・シーンの特徴。パナシナイコス(ギリシャ)、レアルマドリード、FCバルセロナ(ともにスペイン)...。そうなる理由は、ヨーロッパではコミュニティーに根付いた総合スポーツクラブのバスケットボール部門としてチームが存在するケースが多いからです。

例えばCSKAは、旧ロシア帝国時代に誕生し、のちに旧ソビエト社会主義共和国連邦軍のスポーツクラブとして発展を遂げました。CSKAは"Central Sports Club of Army"の頭文字だといい、バスケットボールのほかにサッカーやアイスホッケーでも世界レベルのチームを運営しています。レアルマドリードとFCバルセロナはスペインにおけるサッカーの強豪として有名ですが、バスケットボールでも両チームの対戦は「クラシコ」と呼ばれる伝統の一戦と位置づけされています。

また、イタリアからは有名なファッションブランド、アルマーニの名を冠したチーム、AXアルマーニ・エクスチェンジ・オリンピア・ミランもあります。NBAでも今年から、ユニフォームにスポンサー名が入るようになりましたが、このビジネスモデルに関しては、ヨーロッパではサッカー界ですでに浸透したカルチャーであり、ユーロリーグもそれを長年実践していました。

バスケットボールの質という意味では、冒頭に触れたようにNBAレベルの人材の宝庫であるということに加え、アメリカから数多くのハイレベルな助っ人が海を渡って活躍しているので、非常にハイレベル。

日本ではテレビ中継がないのでなじみが薄いですが、各試合のダイジェストや月間トップ10プレイなど、ハイライト映像を無料で見られる公式サイトがあります。ぜひ注目してチェックしてみてください。

Takeshi Shibata

O-Media/Ocean Basketball Club